地球環境を守るために~生活の中から見直そう~

生活の中から見てみよう

わたしたちの生活の中で、取り立てて贅沢というほどではない「チョット便利」「チョット気持ちいい」ことの「ウラ」には、多くのエネルギーの浪費があります。できることから、少しずつ見直してみませんか?

テレビ

見ていないのにテレビをつけたままにしていませんか?見たい番組をチェックして、その番組だけを見るようにしましょう。
また、テレビは画面が大きくなったり多機能になると消費電力も増加します。使用目的やお部屋の大きさに合ったタイプを選びましょう。

1日1時間テレビ(32V型)を見る時間を減らすと、年間で電気消費量16.79キロワット時、540円の削減になります。(原油換算で約4.23リットル、CO2換算で約8.2キログラム)

掃除機

掃除機はスイッチの入った瞬間に大きな電力がかかるので、スイッチのオン、オフを繰り返すと消費電力が増えてしまいます。部屋を前もって片づけておいて、一気に掃除機をかけてしまうのが賢明です。

掃除機のフィルターや集塵パックにほこりやごみがたまったままだと、吸い込む力が低下しモーターに負担がかかります。フィルターや集塵パックはこまめに掃除しましょう。
パックにゴミが詰まった状態と比較すると、空パックの場合、年間で電気消費量1.55キロワット時、50円の削減になります。(原油換算で約0.39リットル、CO2換算で約0.8キログラム)

冷蔵庫

庫内に食品を詰め込み過ぎると冷気の循環が悪くなり4%~5%余分に電力を消費しますし、物を探すのに時間がかかって冷気が逃げてしまいます。冷蔵庫で冷やさなくてもいいものを確認しましょう。

詰め込んだ場合と比較すると、整理した場合では、年間で電気消費量 43.84キロワット時、1,360円の削減になります。(原油換算で約11.05リットル、CO2換算で約21.4キログラム)

直射日光や暖房、コンロの熱で周りの温度が上がると電力を余計に消費します。風通しよく、周囲に適度な隙間を開けましょう。正しく設置すればずっと省エネが続く、簡単で効果の高い方法です。

壁に密着させた場合と比較すると、カタログ推奨基準で設置した場合では、年間で電気消費量45.08キロワット時、1,400円の削減になります。(原油換算で約11.36リットル、CO2換算で約22キログラム)

トイレ

トイレの便座ヒーターは意外に電気を消費します。必要な時期だけ電源を入れるようにしましょう。
また、使用しない場合は便座のフタを閉じると消費電力を抑えられます。

フタを開けっぱなしの場合と比較すると閉めた場合、年間で電気使用量34.9キロワット時、1,080円の削減になります。(原油換算で約8.79リットル、CO2換算で約17キログラム)

電気ポット

電気ポットでの長時間の保温はせず、再度沸騰させるようにしましょう。また、サイズが大きいほど消費電力は大きくなりますので、自分に合ったサイズを選びましょう。

水(2.2リットル)を沸かして、保温(6時間)する場合と比較すると、再沸騰させる場合は、年間で電気使用量107.45キロワット時、3,330円削減されます。(原油換算で約27.08リットル、CO2換算で約52.4キログラム)

コタツ、電気カーペット

部屋が暖かいときや、からだが暖まってきたら、コタツの温度を低めに切り換えましょう。

また、電気カーペットは一人のときは部分暖房に切り換えましょう。こたつの温度設定を「強」から「中」にした場合、年間で電気使用量48.95キロワット時、1,520円の削減(原油換算で約12.34リットル、CO2換算で約23.9キログラム)に、電気カーペットを3畳から2畳に替えた場合、年間で電気使用量89.91キロワット時、2,790円の削減になります。(原油換算で約22.66リットル、CO2換算で約43.9キログラム)

エアコン

設定温度を適温にしましょう。冷房時は28度、暖房時は20度が目安です。また、暑いときは上着1枚脱ぎ、寒いときは1枚着込むなど服での調節を行うようにしましょう。

冷房の設定温度を27度から28度にした場合、年間で電気使用量30.24キロワット時、940円の削減(原油換算で約7.62リットル、CO2換算で約14.8キログラム)に、暖房の設定温度を21度から20度にした場合、年間で電気使用量53.08キロワット時、1,650円の削減になります。(原油換算で約13.38リットル、CO2換算で約25.9キログラム)

エアコンのフィルターにほこりが詰まると空気の流れが減少してファンを動かす電力が増加し、冷暖房効率が低下します。1日8時間~10時間運転すると約2週間で風量が5%ほど低下します。月に1回か2回は清掃しましょう。

フィルターを月に1回か2回程度清掃した場合、年間で電気使用量31.95キロワット時、990円の削減になります。(原油換算で約8.05リットル、CO2換算で約15.6キログラム)

コンセント

テレビ、ビデオ、CDプレーヤーは、リモコンでスイッチをOFFにした後も、「待機電力」によってエネルギーが消費されています。家庭で消費する電力の約5.1%※が待機電力に使われています。長時間使わないときや就寝時には、主電源を切るか、コンセントを抜きましょう。

※出典:資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」より

洗濯機

いれ過ぎると汚れの落ちも悪くなり電気のムダ、少な過ぎても電気と水のムダ。容量の80%ぐらいで洗濯するのが一番効率的です。洗濯機の容量に合わせて、洗濯回数を少なくしましょう。

定格容量(6キログラム)の4割を入れて洗う場合と、8割を入れて洗う回数を半分にした場合、年間で電気使用量5.88キロワット時、180円の削減に、水道16.75立方メートル、4,360円の削減になります。(原油換算で約1.48リットル、CO2換算で約2.9キログラム)

給湯器

給湯器はエネルギー効率の高い機器ですが、お湯の使いすぎや必要以上に高い温度設定はエネルギーのムダ。食器を洗うときはため洗い、お湯の設定温度は適温にして使用しましょう。給湯器の設定温度を40度から38度に下げた場合、年間でガス8.8立方メートル、1,430円の削減になります。(原油換算で約10.21リットル、CO2換算で約19.7キログラム)

給湯器の省エネ化も進んでいます。電気代・ガス代の節約につながります。

【高効率給湯器の一例】

  • 冷媒CO2ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
    ヒートポンプの仕組みを使って、空気の熱を取り込んでお湯を沸かす。
  • 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)
    発電・給湯・暖房を行う。ひとつのエネルギーで電気とお湯を同時につくることで、エネルギー消費量を抑える。
  • 潜熱回収型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)
    お湯をつくるときの排熱ロスを抑え、熱効率が約95%までアップ。(従来型給湯器の熱効率は約80%)

台所での節水、水の汚れ防止

食器を洗うときや歯磨き、洗顔のときなども水の出しっぱなしはせずに溜めて使うようにしましょう。
3分間蛇口(13ミリメートル管)を開けっ放しにした場合、水道水54リットルが無駄になります。
炒めものに使う油の量は、炒め煮、ソテー、焼き飯は材料の5%程度。中華風の炒めものは8%~10%が目安です。過剰に油を使用しないよう心がけましょう。
使用済みの油を、そのまま流しに捨てないようにしましょう。河川を汚す原因になります。新聞紙や凝固剤に吸わせて、可燃ごみとして処分しましょう。

食品由来排水の浄化に要する水量
食品 捨てる量 魚が住める水質にするのに要する水量
天ぷら油 20ミリリットル 6,000リットル
煮物の汁 100ミリリットル 990リットル
米(とぎ汁) 500ミリリットル 1,200リットル
味噌汁 お椀1杯(180ミリリットル) 1,410リットル
ビール コップ1杯(180ミリリットル) 3,000リットル
牛乳 コップ1杯(200ミリリットル) 3,300リットル
中濃ソース 大さじ1杯(15ミリリットル) 390リットル

出典:生活雑排水対策推進指導指針より

 

水質汚濁につながるものはたくさんあります。そのまま流しに流さないようにしましょう。例えば米のとぎ汁は植物の水やりに使うなど下水に流さないように工夫しましょう。

smart move(スマートムーブ)

「移動」に伴うCO2排出量は生活全体の約4分の1を占めており、「移動」を見直すことが重要です。1人が1キロメートル移動する時のCO2排出量は、自動車では145グラム、バスでは66グラム、鉄道では20グラム、自転車や徒歩はもちろん0グラムです※。エコな移動「smart move」に取り組んでみませんか。

※国土交通省輸送量あたりの二酸化炭素の排出量(旅客)(2015年度)より

smart moveが推進する5つの取組

公共交通機関(電車、バス等)を利用しよう

通勤や通学、旅行やちょっとした外出の際には、公共交通機関の利用を心がけてみましょう。

自転車、徒歩を見直そう

自転車や徒歩は、CO2を全く排出しない移動方法です。「健康」にもつながります。

自動車の利用を工夫しよう

運転する時は、エコドライブを心がけましょう。5秒のアイドリングストップで、年間ガソリン17.33リットル、2,480円の削減になります。(原油換算で約15.48リットル、CO2換算で約40.2キログラム)
また、クリーンエネルギー自動車へ乗り換えると、CO2の排出を大幅に削減することができます。クリーンエネルギー自動車は環境にやさしいのはもちろん、燃料にかかるコストを抑え、蓄えた電気は停電等の非常時やアウトドアに活用できます。

【クリーンエネルギー自動車の特徴】

  • EV(電気自動車)
    ガソリンを使用せず、100%電気で走行。
  • PHV(プラグインハイブリッド自動車)
    電気自動車とハイブリッド自動車の長所を合わせ、ガソリンと電気で走行。
  • FCV(燃料電池自動車)
    水素と空気中の酸素を化学反応させて作った電気で走行。走行中排出されるのは「水」のみ
  • CDV(クリーンディーゼル自動車)
    軽油で走行。技術革新により、粒子状物質や窒素酸化物などの排出量が少なく、排ガスはクリーンに。ガソリン車と比べると約30%燃費効率が良く、CO2排出量が少ない。

出典:一般社団法人次世代自動車振興センターホームページ(https://www.cev-pc.or.jp/lp_clean/about/)より

長距離移動を工夫しよう

長距離移動を伴う出張時や旅行時は、到着時間が正確な新幹線等の公共交通機関で移動する、観光ツアーを利用するなど、CO2の排出を削減できる方法はたくさんあります。

地域や企業の移動・交通におけるCO2削減の取組に参加しよう

車をシェアして必要な時だけ使う「カーシェアリング」や共用の自転車で移動できる「コミュニティサイクル」など、CO2削減の取組が進んでいます。積極的に活用していきましょう。

出典:環境省ホームページ(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/smartmove/about_smartmove/index.html)より

食べ物

同じ食べ物でも、私たちが食べるまでに消費されるエネルギーは違います。例えば、ハウス野菜は、ハウスの温度管理のために、露地野菜よりも多くのエネルギーを必要とします。また、遠洋でとれた冷凍魚は輸送のために近海ものの魚より多量にエネルギーを浪費します。

ハウス栽培のエネルギー使用量割合を見ると、トマトでは、温度管理にかかるエネルギーが全体の95.1%、キュウリでは、全体の97.1%も占めている。

そこで、生鮮食品では、育成、採取、輸送にかかるエネルギーの少ない旬で地場の食品を利用することがCO2の削減につながるのです。野菜などは旬のものの方が栄養価が高く、健康にも良いと言われています。

野菜の旬を覚えて体と地球を健康にしましょう。

  • 春:タマネギ、ダイコン
  • 夏:カボチャ、レタス
  • 秋:ニンジン、ジャガイモ
  • 冬:ハクサイ、セロリ

生活用品

スーパーなどでお買い物をするときは、エコバックを持参してレジ袋は断りましょう。一枚の袋でも積み重なると大量のごみのもとになります。
また、シャンプーや洗剤は詰め替えパックを利用しましょう。詰め替えパックは本体ボトルよりプラスチック使用量が70%から80%も少なく、環境への負荷が減ることになります。

ビールや酒類はビールビン、一升ビンなど繰り返し使える容器のものを購入し、使用後は販売店に返却しましょう。ビールビンは、回収率が高く、洗浄して12回程度再利用できることから、「リユースの優等生」と言われています。

子供用のノートや文房具などは再生紙のものを積極的に使い、トイレットペーパーやティッシュペーパーは使いすぎないよう心がけましょう。紙の無駄使いをなくすことが森林資源の保護につながります。森林は二酸化炭素の吸収源でもあり大切な資源です。

環境ラベルなどが表示されているものは環境にやさしい商品です。購入するときは意識的に環境ラベルのついている商品を選びましょう。

環境省 環境ラベル等データベース(外部リンク)

宅配便は1回で受け取ろう

2008年度は約32.1億個だった宅配便の取扱個数は、2021年度は約49.5億個と増加しています。2022年4月期のサンプル調査によると、約11.7%が再配達となっています。この約11.7%というのは、年間約6万人のドライバーの労働力に相当します。また、再配達のトラックから排出されるCO2の量は、年間で約25.4万トン(2020年国土交通省試算)と推計されています。CO2排出量とドライバーの負担を減らすために、宅配便を1回で受け取るようにしましょう。

出典:国土交通省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/re_delivery_reduce.html)より

  • 荷物を送るとき
    再配達となった理由は「配達が来るのを知らなかった」が最も多く、4割を占めます。荷物を送るときは、送り先への連絡と相手が受け取りやすい日時の指定をしましょう。
  • 荷物を受け取るとき
    受け取る時間帯と場所を指定しましょう。また、宅配事業者などの受取サービスを利用し、できるだけ1回で受け取りましょう。

出典:環境省ホームページ(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/butsuryu/wecando/#sec03)より

できることから取り組もう

物を大切に長く使う、必要な分だけ購入する、ペーパーレス化に取り組む、オンライン申請を利用するなど、CO2排出量削減につながる行動はたくさんあります。取り組めることから始めてみましょう。

削減量の出典:資源エネルギー庁ホームページ(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/)より

 

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